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ミステリの祭典

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追分殺人事件
信濃のコロンボ

作家 内田康夫
出版日1988年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 E-BANKER
(2013/06/27 22:20登録)
1998年発表の長編作品。
浅見光彦シリーズではなく、“信濃のコロンボ”こと竹村警部と警視庁の岡部警部の二大探偵(?)が活躍する珍しい作品。
(この二人の共演は処女長編の「死者の木霊」以来となる)

~信州・信濃追分駅のほど近くで、人形やアクセサリーを売る店をひとりで営む女性・丸岡一枝。東京大学農学部の前、本郷追分の角の酒屋に嫁いだ女性・小野初子。互いに面識のない二人は、ほぼ同時期にまったく見ず知らずの男性の変死に遭遇する。信濃のコロンボこと竹村警部の秘密裏の捜査は難航したが、皮肉にも新聞にスッパ抜かれたことにより得た糸口があった。昭和史の裏に追いやられた、光と影の分岐の物語は北海道から始まる・・・~

ここにきて、なぜか内田康夫である。
なぜだか分からないけど、久々に読みたくなってきたのだ・・・
もう10年以上も前、気ままな旅を愛する若者(表現が古いな)だった頃、旅のお供として作者の作品はよき相棒だったのだ。
当サイトに書評しているのは、本作で10作目だが、実際はその三倍以上は作者の作品を読んでいる。

なぜ、そんなに読んでいたのか?
とにかく「読みやすい」のである。もうスイスイ読める。
列車に乗って、窓外の景色を楽しみながらも余裕で読め、ストーリーも頭に入ってくる。
やはり、これはある意味「名人芸」というべきではないだろうか。

ということで本作である。
さすがに浅見光彦シリーズは、TVの二時間ドラマで死ぬほど見てるので、今回は“信濃のコロンボ”シリーズとした。
軽井沢在住の作者らしく、長野県を舞台とした作品が多いが、本作は軽井沢~東京・本郷~北海道・夕張を結んでかなり広域で展開される事件。
浅見光彦シリーズには付き物の、美女とのビミョーな絡みや軽いラブストーリーはないので、純粋に作者の「名人芸」を味わうことができる。

ということで、旅に出るという方にはお供として一考していただきたい一作。
まぁ、かなり軽い作品ではありますが・・・

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