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ミステリの祭典

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赤く微笑む春
エーランド島四部作

作家 ヨハン・テオリン
出版日2013年04月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点
(2017/06/11 09:22登録)
いやあ、読んだあ。
なんのこっちゃと言われそうですが、このスウェーデン作家の作品は、ただ長い(本作はポケミス約450ページ)だけでなく、本当に大作感があります。スケールの大きい話というのではなく、じっくり文学型の極致。読んでいるのがミステリであることをほとんど忘れそうなぐらいです。なかなか事件は起こりませんし、放火殺人が起こってからも、警察による捜査は、今回の主役ペールが時たま警察と連絡をとる場合を除き、読者には知らされません。ただし『黄昏に眠る秋』でもそうでしたが、最後にはサスペンスフルなクライマックスが用意されています。
中心となるペールの父親の過去に根差す殺人の他に、北欧のエルフとトロール伝説にまつわる「日常の謎」といってもよい出来事とが並行して描かれる構成です。この二つの謎はミステリ的に相関関係があるわけではありませんが、ブレンドの味わいが絶妙です。

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