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ミステリの祭典

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見晴らしのいい密室

作家 小林泰三
出版日2013年03月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2021/01/15 12:51登録)
 ネタバレしちゃうのだが、「探偵助手」について私はきちんと読み取れているのか自信が無い。
 見た目が似ている二種類の薬がある。取り違えると場合によっては命に関わる。それを防ぐ適切な対策を講じなかったことが“確率の殺人”であると言っている? ――単なる思い込みや怠慢でその程度のリスクが放置されている事例は現実に幾らでもありそうだけどなぁ。まぁ作品のキモはそこじゃないんだけど。
 「囚人の両刀論法」は、会話で示されるロジックよりも、その背後に垣間見える設定の方が面白そう。“委員会”とか“冷凍貨物船で惑星系巡り”とか。

 『目を擦る女』から三編を入れ替えて再構成したもの。変更部分がページ数で言えば半分弱なので、もう別物である。大人の事情なのか。今となってはこんな刊行の仕方は寧ろ贅沢と言うべきか。ザ・ローリング・ストーンズのアルバムの英盤と米盤で内容が違うようなものか(違う)。

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