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ミステリの祭典

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見晴らしのいい密室

作家 小林泰三
出版日2013年03月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2026/08/13 22:30登録)
タイトルから想像される様な本格ミステリの短編集かと思っていたら、痛い目に遭いました。確かに表題作は素晴らしかったと思います。通常のミステリにない、○○オチと異次元の解決法に吃驚しました。続く『眼を擦る女』もなかなか面白い趣向で、SFというよりホラーに近い内容です。この二作を読んだ時点で7点は堅いかと思いましたが、残念ながら残りの5篇(『探偵助手』以外)はハードSFであり、理屈っぽいものが多く、SF慣れしていない私には理解不能と言うより理解を放棄したいものに近い感想を抱き、難解と感じました。

中には不毛なトークバトルを繰り広げる作品が含まれており、特に『囚人の両刃論法』はジレンマを論じ、『忘却の侵略』はシュレディンガーの猫を『未公開実験』はタイムマシンを扱っています。タイムマシンを「タイムマスィ―――ン」と連呼しかなりウザいです。結局表題作は何だったのかと云う位、これでもかとハードSFの連打となっており、私の欲求は満たされませんでした。本作を本格ミステリだと勘違いしている方には期待を裏切る結果になると思いますね。

No.1 8点 虫暮部
(2021/01/15 12:51登録)
 ネタバレしちゃうのだが、「探偵助手」について私はきちんと読み取れているのか自信が無い。
 見た目が似ている二種類の薬がある。取り違えると場合によっては命に関わる。それを防ぐ適切な対策を講じなかったことが“確率の殺人”であると言っている? ――単なる思い込みや怠慢でその程度のリスクが放置されている事例は現実に幾らでもありそうだけどなぁ。まぁ作品のキモはそこじゃないんだけど。
 「囚人の両刀論法」は、会話で示されるロジックよりも、その背後に垣間見える設定の方が面白そう。“委員会”とか“冷凍貨物船で惑星系巡り”とか。

 『目を擦る女』から三編を入れ替えて再構成したもの。変更部分がページ数で言えば半分弱なので、もう別物である。大人の事情なのか。今となってはこんな刊行の仕方は寧ろ贅沢と言うべきか。ザ・ローリング・ストーンズのアルバムの英盤と米盤で内容が違うようなものか(違う)。

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