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ミステリの祭典

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チャーム・シティ
女私立探偵テス・モナハン

作家 ローラ・リップマン
出版日1999年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2015/08/16 18:23登録)
舞台となるボルチモアの描写が特に評価されたらしく、アメリカ探偵作家クラブのペーパーバック賞を受賞し、さらにアメリカ私立探偵作家クラブのペーパーバック賞も受賞、という作品ですが、悪くはないもののそれほどとは思えませんでした。
私立探偵小説あるいはハードボイルドと言うには、ゆるいのです。パレツキーやグラフトンみたいな、主人公が必要な捜査を速やかに遂行していく感じはありません。主人公テスが悪役一味につかまって、アジトから脱出する件にしても、少々間が抜けています。コメディーならそれで全く問題はありませんが、そんなタイプでもありません。クライマックスの雰囲気も、さほど強烈ではないサスペンス系といったところです。二つの無関係な事件を並行して描く構成ですが、特に効果的とも思えません。
なお、文章は少なくとも翻訳では完全にテスの視点からのみになっていますが、三人称形式です。

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