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ミステリの祭典

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夜ふかし屋敷のしのび足

作家 コニス・リトル
出版日2008年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/06/29 20:17登録)
(ネタバレなしです) 米国のコンスタンス・リトル(1899-1980)とグウェニス・リトル(1903-1986)の姉妹はコニス・リトルという合作ペンネームで1930年代から1950年代にかけてミステリーを書きました。シリーズ探偵は生み出しませんでしたがどの作品もタイトルに「Black」を付けて統一しているようです(本書の英語原題は「The Black Paw」)。「Black」といっても作風はユーモア本格派推理小説で、1941年発表の本書も戦時中の作品ということを全く感じさせません。ある事情で手紙を盗み出すためにメイドとなって屋敷に潜り込む羽目になった主人公がメイド経験がないなりに頑張って働くのかと思いきや煙草を吸ったり風呂に入ったりするシーンがやたら多く、さぼってばかりですね(笑)。ストーリーにリアリティーを感じさせるところなど微塵もありませんが、これだけ徹底しているとかえってそれなりに面白く読めます。推理はちょっと弱いけど一応謎解き伏線も用意されています。

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