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ミステリの祭典

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ころころろ
しゃばけ

作家 畠中恵
出版日2009年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 猫サーカス
(2020/03/13 20:07登録)
病弱ながら大妖の血を引く大店の若だんな一太郎が、お付きの白沢、犬神を筆頭とする妖たちと難事件を解決する捕物帳の第8弾。ここまでシリーズが続くとマンネリに陥りそうだが、著者は一作ごとに趣向を変えて常に読者を驚かせている。一話完結の短編集なのはいつも通り。ただ今回は、失明した若だんなの光を取り戻すため、目の神様(生目神)の宝石を持っている河童を探すといいう大きな流れがあり、長編小説としても楽しめるのが新機軸。また「ほねぬすびと」「けじあり」といったいわくありげなタイトルの意味が、ラストに明かされる鮮やかな謎解きにも驚かさえるだろう。ユーモアミステリではあるが、生目神を通して日本人の宗教観に迫る重いテーマもさりげなく描いており、硬軟のバランスが絶妙。

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