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ミステリの祭典

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鉄の花を挿す者

作家 森雅裕
出版日1995年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2024/09/04 20:28登録)
刀剣についても詳しい作者らしい作品で、冒頭に刀の構造や刃文の図解が載っています。
島根県の山奥に住む刀鍛冶門松一誠が、彼の師匠の訃報に接するところから始まります。最初のうちはその師匠の遺作となる刀をめぐる話で、あまりミステリらしくありません。誰か殺されることになるんだろうかと思いながら読んでいくと、1/3ぐらいのところで意外な人物が死にます。それも事故死に見えたのが、警察で一応調べてみると、どうも殺人らしいということになります。さらに派手な事件も起こり、その真相はということなのですが。基本的には、ほとんど意外性はありませんが、門松が絶体絶命の危機に陥るクライマックスの決着のつけ方には、感心しました。
それにしても、最後警察の捜査が入ることになる、岡山市にある刀剣を収集する「森原美術館」…美術に多少詳しい者には、その名称からしてもモデルは明らかなのですが。

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