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ミステリの祭典

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マンハンター

作家 ジョー・ゴアズ
出版日1978年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2014/02/05 23:22登録)
麻薬の取引仲介相手を殺してヘロインとその支払金の両方を持ち逃げした男と、その彼を追う側の視点を交互に描く手法をとった作品です。読み始めてすぐ、なんだか通俗ハードボイルド系な書き方だなあという印象を持ったのでした。ゴアズはこんなタイプも書くんだ、と少々びっくりしたのですが、半ばあたりで何となく全体構想の見当がついてきてから、かえっておもしろさが増してきました。後半、迫力の格闘、カーチェイスと話は盛り上がっていきます。そして読み終えてみると、確かにハメット系のシリアスな描き方では、結末がしらじらしく感じられてしまうだろうと納得できました。粗を探せばいくらでも疑問点が出てくる解決ではありますが、通俗っぽいからこそ、そんな細部は気にせず楽しめるのだと思えたのです。
原題は ”Interface”(取引の仲介役を意味していると思われます) で、現代ならそのまま邦題になるかもしれません。

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