home

ミステリの祭典

login
フリーク
私立探偵ダン・フォーチュン

作家 マイクル・コリンズ
出版日1990年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2016/05/22 09:30登録)
片腕私立探偵ダン・フォーチューン・シリーズ第11作。
3ページ目から登場する悪役J・Jのフォーチューンに対する態度には、最後の方になってなるほどと思わせられました。この悪役のキャラクタが本作の魅力の大きな部分を占めていて、彼はクラシック音楽、それも管弦楽曲が好きで聴きまくっています。それにしてもフォーチューンも、かかっている曲がシベリウスの第7番だとかマーラーの未完成第10番だとか、そうとうのクラシック・ファンでない限り、そんなかなりマイナーな曲、聞き分けられませんよ。
ロス・マクドナルドの某作と原理的には似たことをやっていますが、ロス・マクがフェアプレイに徹した書き方をしていたのに対して、本作はフェアでないとも言えます。まあ一人称形式なのですから、こだわらなくてもいいとは思うのですが。
気になったところが1ヶ所、警備部長ノリスのご都合主義的なある行動がなければ、事件はごく早期に片付いていたはずです。

1レコード表示中です 書評