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ミステリの祭典

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三つの秘文字

作家 S・J・ボルトン
出版日2011年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 猫サーカス
(2020/07/14 18:19登録)
スコットランドのシェットランド諸島が舞台。夫の出身地シェットランドで暮らすようになった産科医のトーラは、死んだ馬を埋めようとして庭を掘り返しているときに、女性の死体を発見する。女性は心臓をえぐられ、背中に三つの古代ルーン文字が刻まれ、出産間もなく殺害されたようだった。しかし身元が判明した女性は、検視結果による死亡推定時期の前年に既に死んでいた。女性刑事デーナと協力し合って、トーラは真相を突き止めようとするが、不穏な脅しを受ける。夫婦関係や不妊に悩むトーラが真実を求めて果敢に突き進んでいく姿が実にいい。緊迫感あふれる産科医としての仕事の描写も、物語に奥行きを与えている。何よりも北欧文化圏でもあるシェットランドの独特の風土が、謎解きにも巧みに生かされ、個性的な物語世界を作り上げている。

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