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ミステリの祭典

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探偵になりたい
調査員スタンリー・ヘイスティングズ

作家 パーネル・ホール
出版日1989年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2013/05/05 16:26登録)
民事専門弁護士の下で働いている気弱で平和主義者の私立探偵が主人公のお話第1作です。邦題では「なりたい」ですが、原題はシンプルにただ “Detective”。実際のところ、「わたし」ことスタンリー・ヘイスティングズは探偵になりたいわけではありません。むしろ「探偵」ってなんだろう、というところが、ある意味本作のテーマですから、やはり原題の方が意味が通ります。ここで言う探偵とは、ポアロみたいなのではなく、作中にも名前が出てくるサム・スペードやマイク・ハマーで、内容的にも実際ハードボイルドに近いところがあります。
この主人公のキャラクターがなんとも微笑ましいのが魅力で、1ページ目の初めての依頼人とのやり取りからして、すっとぼけていて笑わせてくれます。謎解きミステリ度はハメットやスピレインと比べるとずいぶん低いのですが、悪役をやっつける手立ては、なかなか工夫されています。

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