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ミステリの祭典

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私立探偵
興信所職員ラルフ・ポティート

作家 ローレン・D・エスルマン
出版日1996年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2015/03/11 22:29登録)
邦題にもかかわらず、主人公のラルフ・ポティートは厳密には私立探偵ではありません。デトロイトの興信所に勤めているとはいうものの、資料整理係に格下げされているという状況。このラルフが下品で実にいいかげんな小悪党なのです。ばれるに決まっている嘘を平気でつきますし、ネコババなんかは日常茶飯事。しかし悪賢いところはなく、かなり間抜けという設定です。
そんな主役が活躍するというより、いろいろおかしくも悲惨な目に合いながらも、最後には事件がなんとなく解決してしまう小説です。ハードボイルド的なアウトローなところはあるのですが、スラプスティックなギャグが連続するコメディ・ミステリです。
かなり大げさな事件の裏が結局整合性のとれたものだったのかどうかも、読み終えてみてはっきりしないような作品でしたが、こんなとぼけた作風なら、それでいいのではないでしょうか。

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