home

ミステリの祭典

login
モグリ

作家 安萬純一
出版日2013年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2021/06/04 22:43登録)
鮎川哲也賞受賞作家の、長編としては第3作に当たるようですが、本格派ではありません。横浜中華街を舞台に、台湾と中国本土マフィアの対立に、無免許医椚田が巻き込まれる、というかむしろ自分からからんでいく話です。タイトルはこの椚田のことで、ブラック・ジャックとまではいきませんが、外科医としての腕は確かです。
台湾マフィアのボスの息子殺害事件の隠された秘密については、伏線となる手紙の内容は、椚田は読んで知っていても、読者には知らされません。明かしてしまえば露骨すぎるのですが、本格派ではないと言ってもどうもね。また、結末に意外性はあると言えなくはないのですが、被害者の左手に関する件の理由説明は、全く理由になっていません。そもそもそんなこと、マフィアの掟の中で許されるんでしょうか。
それでも、なかなかハードな展開は、読んでいる間はおもしろかったことは間違いありません。

1レコード表示中です 書評