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ミステリの祭典

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この警察小説がすごい!ALL THE BEST

作家 事典・ガイド
出版日2012年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2013/02/10 22:09登録)
古今の警察小説について言及されており、古くは山田風太郎氏から近年では今話題の誉田哲也までランキングされているのが特徴的。オール・タイム・ベストの選出とはえてして各選出者の初期体験が脳内で美化されがちなため、昔の傑作が挙げられがちだが今回のベスト選出では横山秀夫氏の作品が多く選出されることになった。これは横山氏の作品がいかにエポックメイキングだったかを証明している。

しかし警察小説と云っても選者の価値観によってその定義は様々。先に述べた横山氏のD県警シリーズに代表される警察機構の泥臭い人間劇から本格ミステリ作家が刑事を主人公にしたシリーズ物まで幅広く語られている。確かに一概に警察小説と云ってもその定義は原則的に主人公を警察官もしくは刑事に設定した小説という曖昧さを備えているから、その解釈は千差万別だろう。

さらに巻末には警察組織と捜査本部の構成など、実際の警察小説の構成が一目で解るガイドが添えられている。これはミステリ、警察小説を書く作家志望の方々には実に有益な資料となることだろう。
しかし国内警察小説だけに触れられているのはいささか解せない。やはり海外警察小説についても均等に語られるべきであろう。もし次があるならばぜひとも海外作品についてもオール・タイム・ベストを選出してほしいものだ。

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