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ミステリの祭典

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十六歳の闇
トーマス・ピット警部夫妻

作家 アン・ペリー
出版日2004年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/09/29 23:03登録)
(ネタバレなしです) 英国のアン・ペリー(1938年生まれ)はピット警部シリーズとモンク警部シリーズという2つの歴史ミステリーのシリーズが人気の女性作家です。若い頃に重大犯罪に加担して投獄されたという過去があり、しかもその経歴が暴露されて映画ネタにされたというエピソードまであります。ちなみに本書が1984年に出版された時はその経歴はまだ一般に知られていません。本書は19世紀末の英国を舞台にしたピット警部シリーズの第6作で、倒錯した性行為がテーマとして扱われていますが幸いにして生々しい表現とかはありません。にもかかわらず読んでて不快感を覚えるのは人間の心の卑しさがたっぷり描かれているからでしょう。自分の周囲だけ秩序が保たれれば他人がどうあろうと全く構わないというエゴがむき出しにされています。現代読者が読んでも十分に通用する内容です。論理的推理の要素が少なくしかも駆け足気味な解決なので本格派の謎解きとしてはあまり面白くありませんが、風俗小説としてはとてもよくできていると思います。

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