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ミステリの祭典

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かぼちゃケーキを切る前に
お料理名人の事件簿

作家 リヴィア・J・ウォッシュバーン
出版日2008年06月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2014/10/17 15:45登録)
(ネタバレなしです) 2007年発表のフィリス・ニューサムシリーズ第2作です。コージー派の本格派推理小説としての読みやすさはもちろんですがアマチュアのフィリスが探偵活動に取り組む流れがスムースで、特に第24章で謎解き議論に加わるところに不自然さを感じさせません。読者が推理するのに手掛かりが十分とは言えませんが、コージー派としてはしっかりした謎解きプロットです。

No.1 3点 mini
(2013/10/31 09:41登録)
* 今宵はハロウィンだからね

そこでリヴィア・J・ウォッシュバーンの「かぼちゃケーキを切る前に」を読んでみた、グルメ系コージー派、シリーズ第2作である
ハロウィンの時期に学校行事に参加する事になった元教師フィリスだが、お菓子バザーの売り上げ向上に企画されたお菓子コンテストにかぼちゃケーキで勝負するという、基本は前作を引き継いだ設定

作中の学校行事は特にハロウィンにちなんだものではない、ちょっとこれには説明が必要だろう
ハロウィンて私も昔はキリスト教の行事の1つかと勘違いしていた
ハロウィンは本来はケルト伝承が由来で現在では宗教とは無縁の民間行事として定着している、実際にカトリック系の国々ではあまり普及していない、カトリックでは翌日11月1日の”諸聖人の日(万聖節)”の方が祝日になるなどずっと重要だからだ
ハロウィンが流行しているのは英米加豪などキリスト教の別派閥であるプロテスタント系の国々が多い、カトリック系で唯一例外的に盛んな国はアイルランドだが、ケルト伝承という事で言わば発祥の地だからね
どちらかと言えばキリスト教が深く根付く国ほどハロウィンに否定的な傾向があり、逆に最近は日本で定着しつつあるのもなるほどである
むしろアメリカ南部などキリスト教文化の強い地域などでは、キリスト教由来ではないハロウィンに対して最近では公式行事を自粛するよう通達される場合も有るという
「かぼちゃケーキを切る前に」中にも学校行事に過剰にハロウィン色を強く演出しないよう学校側から指導があったという文章がある
昨年読んだレスリー・メイヤー「ハロウィーンに完璧なかぼちゃ」にはそんな話題は全く無かった
前者の舞台設定は南部テキサス州、後者は北東部のメーン州、なるほど納得

さて「かぼちゃケーキを切る前に」だが、謎解き的には前作と全くイメチェン、前作では第1作ということもあってかちょっと特異な真相に驚いたが、今回はシリーズ化を計算してなのか平凡と言うかかなりつまらない真相である
2作読んでもシリーズの方向性が分からぬ、3作目はいったいどうなるのやら

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