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ミステリの祭典

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犯罪に向かない男
警視庁捜査一課田楽心太の事件簿 旧題:「共謀」

作家 大村友貴美
出版日2010年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2016/11/19 21:40登録)
最初『共謀』のタイトルで発表された後、文庫本になった時に改題された作品です。確かに誰と誰の「共謀」なのかは読み終わってもはっきりしません。一方新タイトルの方は、最後の方になって、その男は「向いてないね、犯罪に」というせりふが出てきます。次作『存在しなかった男』と同じ田楽心太(たたらしんた)警部が登場する作品なので、それに合わせての変更なのでしょうが、こちらも内容を的確に表しているとはあまり思えません。
プロローグの殺人から、誘拐、さらに殺人、5年前の交通事故など、様々な要素を盛り込んだ作品で、テーマの逸失利益に対する考え方には賛同できない点もあります(死亡による逸失利益は死亡者本人のことではなく遺族の金銭的不利益に対する配慮でしょう)が、読みごたえはあります。しかし轢き逃げ殺人だけは他の部分との絡みもなく、いくらなんでも余計じゃないかと思えました。

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