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ミステリの祭典

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新・野性の証明
証明シリーズ/棟居刑事シリーズ

作家 森村誠一
出版日2009年03月
平均点2.00点
書評数1人

No.1 2点 E-BANKER
(2013/01/06 16:32登録)
昨年(2012年)最初に手にとったのが、森村誠一「人間の証明」(書評NO.616)だったということで、今年(2013年)最初の書評も森村氏のもう一つの著名作である本作ということにした(特に理由はないのだが・・・)。
実は、本作は「新・野性の証明」であり、高倉健主演で映画も大ヒットした旧作をリメイクした作品なのだが・・・その辺の事情を寡聞にもあまり知らなかったため、意識することなく「新」を某書店で手に取ってしまったという次第(まっ、いいか!)。

~元国際工作人の作家・武富の主催する小説教室が合宿中の無人島に、記憶喪失の美女・しぐれが漂着した。彼女を執拗に追う闇組織、そして国際的暗殺集団に武富率いる受講生たちは知恵を絞り懐の窮鳥を守る果敢な闘いを展開する。壮絶な攻防のなかに受講生は次第に秘めた己の野性に目覚めていく。一方、棟居刑事はしぐれの素性に国際的な秘密を嗅ぎとり捜査の網を絞る。文明の利器の奴隷となり自らを失いつつある時代に人間性は回復できるのか?~

こりゃいったい何だ?
ひとことで言うなら「大冒険活劇」ということになるのだろうが、これは本当にまともな精神で書かれたのか?
中盤までは、しぐれの出自の謎や闇組織の裏側のフィクサーに関する謎など、読者に期待を持たせる展開だったのだが・・・
それ以降はもういけない。
「七囚」と呼ばれる国際的暗殺組織の人間離れした襲撃VS武富小説教室の面々という、まるで粗悪な漫画のようなストーリーになってしまった。
作者は一体なにが書きたかったのか? 本作の舞台が「小説教室」となっていて、小説とはこう書くのだなどという話が出てくるのだが、こんな小説を書いてたんでは本末転倒だろう。

作者のファンであるなら、本作を読んではいけない。
評点はこうするしかない。
(旧作「野性の証明」は面白かったようなのだが・・・。あまり読む気はしないなぁ)

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