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ミステリの祭典

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Les complices

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日1999年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2012/12/04 21:43登録)
『共犯者たち』というタイトルから想像していたほどミステリ系ではありませんでした。犯罪心理サスペンスではありますが、主人公が犯すのは故意の犯罪ではありません。地方の工場経営者であるランベールは、車で移動中助手席の秘書といちゃついていて、40人ほどの子どもたちが乗ったバスの事故を引き起こすことになってしまうのです。バスは炎上し、女の子1人以外全員死亡という惨事になる現場から、彼は逃げ出してしまいます。現場には、酔っぱらい運転のような蛇行したタイヤの跡が残っていました。
半ばぐらいで、共同経営の弟に正面切って「あれは兄貴だったのか? と尋ねられ、事故原因の車の運転者は自分ではないと嘘をつくランベール。一方保険会社が依頼した腕利きの探偵が調査を始めて…
いつ警察が逮捕に来てもおかしくないと覚悟はしていながらも、沈黙を続けるランベールの心理を描いて、なかなか味わいがありました。

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