home

ミステリの祭典

login
彼の個人的な運命
三聖人シリーズ

作家 フレッド・ヴァルガス
出版日2012年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2015/07/12 07:55登録)
(ネタバレなしです)  1997年発表の三聖人シリーズ第3作の本格派推理小説で、シリーズ前作の「論理は右手に」(1996年)で主役だったルイ・ケルヴェレールも再登場しています。前半の主人公はそのルイですが後半になると三聖人(マルコとリュシアン)の存在感が増していきます(マティアスは最後まで影が薄いです)。シリーズキャラクター以外では(容疑者の)クレマンの個性も強烈です。ヴァルガスは本当に風変わりな人物を創作するのがうまいですね。解決はやや唐突で、決め手に欠ける推理のような気もしますが一応は謎解き伏線が用意されています。主役級を何人も揃えるストーリーづくりは難しいのか、三聖人シリーズはこの後は書かれなくなり、アダムスベルクシリーズに創作の中心が移ります。

1レコード表示中です 書評