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ミステリの祭典

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まんまこと
まんまことシリーズ

作家 畠中恵
出版日2007年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2025/04/28 20:17登録)
表題作で始まる6編を収めた連作短編集です。主人公は神田の町名主の「お気楽な」跡取り息子麻之助で、彼が名探偵ぶりを発揮して様々な謎、持ち込まれる町の揉め事を解決していくわけで、最後の誘拐事件を扱った『静心なく』を除くと、日常の謎系と言っていいでしょう。5編目『こけ未練』では、それまで勤勉だった彼が16歳の時にお気楽になってしまったきっかけも、回想の中で明かされます。時代背景は、2編目『柿の実を半分』の中で寛政元年が10年と少し前とされているので、1800年頃。
ユーモラスで人情味のあるいい話の中に、そんなにアクロバチックでこそありませんが論理的な謎解きをうまく溶け込ませ、麻之助とその仲間たちも魅力的に描いていて、なかなか気に入りました。
なお、「まんまこと」とは真真事・ほんとうのこと、と『江戸語辞典』抜粋の注釈が付いています。

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