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ミステリの祭典

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黒十字架連続殺人事件
尾高一幸シリーズ

作家 草野唯雄
出版日1981年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2012/11/01 18:18登録)
(ネタバレなしです) 1981年発表の尾高一幸シリーズ第2作で、シリーズ前作の「支笏湖殺人事件」(1980年)は本格派推理小説でしたが本書はサスペンス小説だと思います。序盤で被害者の素性を尾高が推理しているあたりは本格派らしさもありますが、中盤以降は推理要素はほとんどありません。舞台が東京の勝鬨橋(かちどきばし)、新潟のスキー場、そして何とブラジルと移り変わります。犯人探しもさることながら動機の探求に力を入れており、そこには犯人側への同情を誘うようなところもありますが被害者の中には恨みを買うような理由のない者もいるので個人的には犯人に共感できません。そのためか終盤で尾高が犯人に肩入れするような行動を取っていますが、それが正当とは到底思えませんでした。

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