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ミステリの祭典

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アフリカの百万長者
クレイ大佐

作家 グラント・アレン
出版日2012年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2012/12/23 22:15登録)
粘土のように変幻自在に顔を変える怪盗、クレイ大佐登場の連作長編。論創社版”ホームズのライヴァルたち”シリーズの最新作です。
怪盗といっても駆使するのは詐欺的手法なので、コンゲーム小説といった趣です。
ユニークだと思ったのは、標的が拝金主義の俗物大富豪サー・チャールズに固定されていることと、犯罪が被害者側(チャールズの義弟)視点で語られるところでしょうか。こういった繰り返し騙される設定だと本来マンネリになるのですが、各編で騙しのテクニックに変化を持たせ、また被害者と読者にフェイントを仕掛ける工夫もあって飽きさせません。
幕引きの処理については賛否が分かれそうですが、個人的にはほろ苦い余韻があっていいと思います。

本書が論創海外ミステリ叢書の記念すべき100冊目ということなので、私的ベスト3を考えてみました。(初期のころは翻訳技量の評判がよろしくなかったのであまり読んでいませんが)
①「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」(ブリテン)②「巡礼者パズル」(クェンティン)③「不可能犯罪課の事件簿」(ヤッフェ)

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