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ミステリの祭典

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こどもの一生

作家 中島らも
出版日2003年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2012/10/22 21:37登録)
11月にパルコ劇場他で舞台公演されるということで、9年ぶりくらいに再読。
やはり面白い、これはB級ホラーの傑作である。
瀬戸内海の孤島に集められた5人の男女。年齢も性別もバラバラの彼らは精神科の治療を受けるため、はるばるこの地を訪れたのである。
彼らは催眠療法と薬剤により、10歳の子供に精神年齢が退化していく。子供になった彼らは無邪気に振舞いながら、様々な出来事や事件に遭遇していき、そしてついに・・・。
といったストーリーで、前半から中盤にかけてはまったりとした感じで進行していきながらも、笑いのツボは外さない。
しかし後半は一転、サバイバル・ゲームの様相を呈していく。
一気に加速するので、同じ小説とは思えないほどの急展開である。
しかも、かなりエグイシーンもありながら、尚も笑わせる辺りは凄いというか、作者の力量を認めざるを得ない。
意外と知られていないようだが、一読の価値ありと言わせていただこう。

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