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ミステリの祭典

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古惑仔

作家 馳星周
出版日2000年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2012/10/20 23:31登録)
古惑仔と書いて“チンピラ”と読む。馳作品にはお馴染みの呼称。中国語での呼び方。本書は表題作を含む短編集。

6編全てがアンハッピーエンドという馳氏らしい短編集。日常から非日常へ足を踏み出した人々の不穏な行く末、あるいは悲惨な末路を綴った物語集だ。
相変わらず容赦がない。一編目の「鼬」の虚無感にため息をついたがその後の表題作の何とも悲惨な結末―主人公は女性の観光案内を終えた後、敵対マフィアの集団に囲まれ、青竜刀で切り刻まれてしまう―を筆頭に「聖誕節的童話」と「笑窪」の主人公らの転げるような転落人生模様はもう呆れるしかない。さらに「長い夜」は親切が仇になってしまうという何ともいいようがない結末だ。ラストの「死神」も何かに引き寄せられるように死へ向かう連鎖に絡め取られていく男達の顛末だ。

暗鬱になるだけの物語6編。ここにもあそこにも不幸な奴がいることを知らされる。頑張っていれば、努力していればいつか報われる、などは脆くも崩れ去る物語群。ゆめゆめ爽快感など期待して読まないように。

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