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ミステリの祭典

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夜を深く葬れ
ジャック・レイドロウ警部

作家 ウィリアム・マッキルヴァニー
出版日1979年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2015/06/30 21:54登録)
1977年度シルバーダガー賞受賞作。凝った文章が特徴で、高尚な比喩が頻出します。原題はシンプルに主役警部の名前である “Laidlaw”。ずいぶん意味ありげな邦題をつけたものです。
レイドロウ警部が主役とは言っても、彼の活躍だけを追っていく通常の警察小説パターンではありません。警察の他に、中心となる殺人事件の犯人を探し出そうとする2つのアウトロー勢力を描いた部分もかなりあり、カットバックがなかなか緊迫感を出しています。
殺人事件担当になると、妻子持ちであるにもかかわらず1人でホテルに泊まり込んで事件捜査にのめりこむというレイドロウ警部の極端なキャラクターは、個人的にはさすがに理解の範囲を少々超えています。訳者あとがきによると、ロスマクはこの警部に魅了されたと言っているそうですが。一方彼とは犬猿の仲のミリガン警部の型にはめ込むプロフェッショナリズムもちょっと誇張が過ぎるかなと思えました。

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