home

ミステリの祭典

login
夜と霧の盟約
ソール・グリスマン&ドルー・マクレーン

作家 デイヴィッド・マレル
出版日1988年05月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2012/10/05 22:38登録)
なんと『ブラック・プリンス』のソールと『石の結社』のドルーがコラボするそれぞれの続編だ。マレルの作品は一つの世界観を作っているのか、それともこれは彼の読者サーヴィスの賜物なのか。

そんなマレルの二大ヒーローが登場する事件とは世界各地で起こる老人たちの失踪事件だ。その真相の裏に潜むのはナチのホロコースト。
ここから先の真相は読者の興を削ぐので(というよりも絶版の本書をこれから読む人がいるのかはなはだ疑問だが)書かないが、『ランボー』でひと山あてた作者の注目作として発表された(と思われる)本書で、キリスト教の、カトリック系を堕すような真相を書くなんて当時は問題なかったのだろうか?

しかし短い章を重ねるスピーディな場面転換でアクション小説としては面白いのだが、逆にその短い章立てと切り替えの速さが小説としての味わいやキャラクターの深みを薄めている感がどうしても拭えない。
小説としての味わいを期待したいと思う私であった。

1レコード表示中です 書評