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ミステリの祭典

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グリフターズ

作家 ジム・トンプスン
出版日1991年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2014/09/06 22:00登録)
スコセッシが製作したスティーヴン・フリアーズ監督による映画化は未見。
サブ・タイトルのとおり、意味が「詐欺師たち」なので、『白昼の死角』みたいなスケールの大きさは最初から期待していないにしても、気の利いたクライム・ストーリーかと思って読み始めたのですが、いつまでたっても話はミステリになりません。本作の大部分は、詐欺師というより作中の言葉では詐話師である若者の視点から描かれています。彼の日常生活や生い立ちが中心で、母親と愛人との3人のうまくいかない関係が、どうなることかと気をもませます。仕事は最初の釣銭詐欺(かなり知られたやり方で、失敗します)と途中のさいころいかさまの2回だけ。
全体の8割を過ぎるぐらいになって、やっとミステリ的になってきたかと思ったら、話は急激な展開を見せ、意外でかなり後味の悪い結末を迎えます。途中まで地味な異色作としては、これくらいの点数でしょうか。

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