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ミステリの祭典

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浅草殺人風景
鮨屋・山内鬼一とその母・タツ

作家 中町信
出版日1998年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2014/04/16 23:23登録)
中町信の作品というので、冒頭1行目、いや第1章見出しから疑いの目を持って読み始めたのでしたが、本作にはそんなお得意の叙述トリックは使われていませんでした。中心となるのは第2の事件のダイイング・メッセージで、最後に解説されてみると、なるほど、さすがにそのような形にした理由には説得力がありました。もう1つ手紙のトリックは、作中で披露された時点ではフェアな書き方とは言えないのですが(その時点で手がかりを読者に示す書き方もできなくはないでしょうが、不自然になるでしょうね)、最終解決の前に解説してしまうという手で批判をかわしています。
過去の事件とのつながりや動機もきれいにまとめていて、謎解き要素は小味ながらもなかなかのものだと思いますが、ストーリー展開はあまりおもしろさを感じさせませんし、舞台となる浅草の風物紹介も少々わざとらしく、小説としては平凡な印象でした。

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