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ミステリの祭典

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エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ

作家 エドワード・D・ホック
出版日2012年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2012/08/29 22:59登録)
ホックが長い作家生活の間に断続的に書いたホームズ譚のパスティーシュ集。すでに同じ版元の原書房からは贋作ホームズのアンソロジーが数冊でていて、いずれもホックの作品が入っているため重複するのですが、本書はシャーロッキアンよりホック・ファンのための作品集という感じがするので良しとしましょう。
パスティーシュといっても文体の模倣は意識していなくて、ホームズ譚の構成を借りた、あくまでも”ホック流ミステリ”です。
個人的お薦めは、隠退しサセックス州で養蜂家となったホームズ宛に”あの女性(ひと)”から依頼が舞い込む「モントリオールの醜聞」と、タイタニック号の船上でホームズが”あの作家”と共演する「瀕死の客船」です。後者はワトソンの手記ではなく、ホームズの一人称で語られるのだけど、最後に明らかになるその理由には思わずニヤリとなります。

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