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ミステリの祭典

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石の結社
ドルー・マクレーン

作家 デイヴィッド・マレル
出版日1987年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 Tetchy
(2012/08/05 22:56登録)
西洋の古の歴史が絡む、ある暗殺組織の物語。

まず導入部が素晴らしい。厳格な礼拝形式のカルトジオ修道院での静謐かつストイックな日々が語られる。それ以上でもそれ以下でもない淡々とした描写にふと訪れるドルー襲撃の影。この静から動への移り方が非常に上手い。

デビュー作の『一人だけの軍隊』がそのタイトル通り、一人対集団の物語だったのに対し、本書はドルーとその協力者2名と謎の組織への戦いという小集団対組織へのチーム戦になっている。よくよく考えるとこれは前作『ブラック・プリンス』でもそうであり、しかもそのうち一人が女性であること―しかも両者とも特殊訓練を受けた戦闘能力が高い女性!―も共通しており、この辺はエンタテインメントとしての華やかさも考慮したマレルの演出だろう。こういった構成はやはり映像化を強く意識した作りだと感じてしまう。

ただ何かが足りないような気がしてしまう。もっと心に残ってもいいのに、何かが足りない。恐らくはキャラクターの強さだと私は思うのだが。

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