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ミステリの祭典

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のぞき屋のトマス
大学教授トマス・セロン

作家 ロバート・リーヴズ
出版日1992年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2023/05/09 20:59登録)
トマス・セロン教授の第1作『疑り屋のトマス』のタイトルは聖書の使徒トマスのことだそうですが、この第2作は普通名詞的に使われる、手元の辞書では「観淫者」と訳されている Peeping Tom を基にした “Peeping Thomas”。なんだか最初から第2作を予定していたみたいにも思えますが、2作の間は5年も空いています。女性学部学部長からの電話で叩き起こされた二日酔いのセロン教授は、ポルノ・ビデオ業界の裏を探っていくことになるという話ですし、彼が書きあげた小説の方にもセックスがからんでくることになり、なるほどと思えるタイトルです。
ジャンルとしては、一応ユーモアに入れました。ポケミスの訳者あとがきでは「ソフトボイルド探偵」なんて書かれていて、確かにユーモラスな文章で綴られてはいますが、テーマ的には実はかなりシビアで苦い後味、クライマックス部分などかなり緊迫感もあります。

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