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ミステリの祭典

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ブラック・プリンス
ソール・グリスマン

作家 デイヴィッド・マレル
出版日1985年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2012/07/12 20:30登録)
1984年発表のマレルの手によるこの作品は義兄弟である二人のCIA工作員ソールとクリスがその育ての親のある陰謀により、罠にはめられ、世界の諜報部員たちのお尋ね者になる物語である。
そしてこの物語にはもう1つ特徴がある。それはアベラール・サンクションなる各国のスパイのための不可侵状態の避難所の設定だ。

こういった背景を踏まえて描かれるマレルのスパイ小説はアクション重視の、映像化を意識したかのような作品である。短い章立てで構成され、実にテンポよく物語が進む。

しかしこのような昔のスパイ小説を読むことは案外収穫がある。なんせ冷戦時代の教科書では習わない各国の暗闘が知識として得られるからだ。教科書では教えられてない歴史の勉強とはまさにこのことだ。

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