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ミステリの祭典

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友よ、戦いの果てに
シュグルー

作家 ジェイムズ・クラムリー
出版日1996年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2012/07/03 21:30登録)
訳者あとがきで、本作に対する表層的な批判として紹介されている「老ランボーのハチャメチャ活劇」という言葉は当たっているのではないかと思えます。けなしているのではありません。まさに文学派ハードボイルドな語り口で、前半はゆったりした地味めの展開であるにもかかわらず、ド派手な活劇にまでエスカレートしてしまうところがおもしろいと思えるのです。まあ最初の方で登場する人物の意味を考えると、とんでもないアクションになりそうな予感はあるのですが。
それでも、あれは結局使われなかったなぁ。ちょっと期待もしたのですが。そのかわり、原題のメキシカン・ツリー・ダック(鴨の一種)を模った工芸品が、最後になって重要な役割を果たします。
主役のシュグルーのみならず、登場人物の大半が覚醒剤やコカインづけという世界ですので、生理的に受け付けない人もいそうです。個人的にはそれより、事件全体の組立がどうも不明瞭なところが気になりましたが。

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