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ミステリの祭典

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大尾行

作家 両角長彦
出版日2012年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2018/03/13 23:39登録)
ハイテク・ミステリ。
最初の尾行シーンでは、おいおい何やってんだかと思ってしまいました。私立探偵社の探偵たちがハイテク機器を利用して3人1組で次々に入れ替わりながら1人の人間を尾行していくというところから始まるのですが、これ、尾行する相手(作中ではマルタイ―対象者の意味―と呼んでいます)がどこに行くか見当がついていなければ不可能な尾行方法です。それにいくら何でも対経済効果が悪すぎます。
しかし尾行不可能な女の消失は、これも何かハイテクを使ったんだろうなと見当は付きますが、なかなか鮮やか。その後の製薬会社の暗部を暴いていくあたりとどうつながってくるのかと思っていたら、少々拍子抜けでした。それでも主人公が製薬会社に捕まってしまうあたりからはスリリングでおもしろく読ませてもらったのですが、このどんでん返し結末は爽快感はそれなりにあるものの、やはりフェアとは言えませんねえ。

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