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ミステリの祭典

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女は魔物
レミイ・コーション

作家 ピーター・チェイニイ
出版日1957年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2012/06/21 18:27登録)
ピーター・チェイニイは英国作家ながら、米国を舞台としたギャングと悪女が登場するアメリカン・ハードボイルド風ミステリを書き、また本国だけでなくフランスで人気を博した点など、ハドリー・チェイスとよく境遇が似ており比較されたようです。本書を読む限りでは、チェイスと比べるとやや通俗的でエンタメ志向が強いように思いますが。

本書は、デビュー作「この男危険につき」で登場させたアメリカ連邦捜査局の”おれ”こと、レミイ・コーション潜入捜査官シリーズの3作目で、カリフォルニア州の砂漠の町を舞台に国債偽造事件を背景とした殺人事件の謎解きがメイン。
田中小実昌訳によるムダ話と思えるコーションの饒舌な語りのなかに巧妙に伏線が張られており、予想以上に謎解きの面白さがありました。ラストの二段構えのどんでん返しによるサプライズはなかなかのものです。

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