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ミステリの祭典

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支笏湖殺人事件
尾高一幸シリーズ

作家 草野唯雄
出版日1980年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2012/04/23 16:19登録)
(ネタバレなしです) それまでシリーズ探偵物に重きを置いていなかった草野は1980年に発表した本書で私立探偵の尾高一幸シリーズをスタートさせます(これより前の1970年代にはハラハラ刑事シリーズが先に発表されていますが)。まだ本格派推理小説にとって厳しい時代の作品だからでしょうか。私の読んだ徳間文庫版の裏表紙では「殺人犯の夫の汚名を晴らす長編復讐劇」などと紹介されています。特にお仕置きシーンがあるわけでもなく(笑)、尾高の丹念な捜査と推理を描いた本格派推理小説です。犯人当てとしては通常だと私にとってはアンフェア気味にさえ感じてしまう真相なのですが、本書の場合は尾高が早い段階から可能性として明快に示唆しており、そういう不満を感じさせませんでした。地味ながら退屈させない語り口、叙情性を感じさせる結末など一読の価値は十分にあります。

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