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ミステリの祭典

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新月譚

作家 貫井徳郎
出版日2012年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 シーマスター
(2012/04/24 23:04登録)
う~ん、何と言ったらいいのか・・・読後ため息が出てしまいそうな粘着質の作品。

現時点でAmazonにはお二方の感想が寄せられ、お二人ともほぼ絶賛されている。それはよく解かるし、それだけの評価を受けてもおかしくない内容を有する作品だとも思う。

しかし、自分は長いプロローグを「きっと凄い本編のための念入りな仕込み」と思いながら読み、本編に入ってからは「いつか圧倒的なリーダビリティ・・・(貫井作品ならではの)目と指がページに引っ張られる展開になるはずだ。その香りがする」と信じながら読み進めたが、結局最後まで自分がページを引っ張らなければならない作品だった。要するに自分の感性にはあまり合わなかったというより言がない。

伝説の女性作家の半生、いやほぼ全人生を完全に描き切った力作であり、作家の実態、苦悩をリアルに丹念に書き連ね、作者自身の小説論を惜しげなく晒し、何より多くの読者の恋愛観を変えるかもしれないとすら思われる情念的な恋愛小説であることは間違いないだろう。
ただ個人的には全体を通して、主人公の心理描写のくどさが重かったし、途中のストーリー展開がクドクドダラダラの繰り返しという面も少なからず感じてしまった。
本編のラストは整った着地を見せるが、途中の登場人物達のだれか(少なくともアノ人)が終盤に何か影響をもたらしてくるのかと思っていたのに・・・そしてエピローグは・・・

読み終わった直後に作者の奥様・・・そう、加納朋子さんの顔写真を初めてネット検索した。

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