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ミステリの祭典

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仙台で消えた女

作家 多岐川恭
出版日1988年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2012/08/20 18:26登録)
「消えた女」三部作の3作目。時代小説に軸足を移していた作者の最後期のミステリ作品です。「京都」は未読ながら「長崎」がごく平凡な旅情ミステリだったので、あまり期待せずに読みましたが、これは作者らしい捻ったプロットでした。
消えた人妻を追う三人の男女、それぞれ三者三様の秘めた思惑を徐々に明らかにさせながらも、”的の女”瀬戸溶子は最終章近くまで登場させない構成の妙。殺人事件の犯人に関するどんでん返し以上に、彼女は薄倖の女なのか悪女なのかという興味で読ませます。
エピローグの一文がなんとも言えない味がある。

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