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ミステリの祭典

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21のアルレー

作家 カトリーヌ・アルレー
出版日1985年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/07/10 00:08登録)
邦題どおり21の短編を集めたもので、長さもジャンルも様々です。
SF、ファンタジー系もいくつかありますし、2編はミステリやSFとは全く縁のない話です。というか最後の『理想の相手』はただ理想の結婚観を40歳の女が語るだけのもの、もう1編の非ミステリ『雌鶏と死』は実話だそうですが、ほのぼのした話で、意外に気に入りました。最も長いのはこれも実話の『地獄へのツアー』という50ページほどの無謀な砂漠横断の旅が悲惨な結果を迎える作品で、生存者の証言と捜索結果からの推測を基にしているのでしょうか。やはり実話の『片腕の男』は、その人物がそんな間抜けなことをするなんて、ほんまかいなと思えました。『樅の木 エドガー・ポーに捧ぐ』は、死後の世界の描写から始まりますが、あの作品が元ネタですか、どうもねえという感じです。
『人情の問題』『阿呆は誰だ?』あたりの奇妙な味わいが特にいいと思いました。

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