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ミステリの祭典

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仕組まれた死の罠
ウェクスフォード警部

作家 ルース・レンデル
出版日1988年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2012/01/13 23:10登録)
さて本書のテーマは相続人の前に突如現れた音信普通だった近親者は果たして本人か否かという物。この手の話は古くからあり、例えばカーの『曲がった蝶番』とかがそうだろう。また財産目当ての悪女物となればカトリーヌ・アルレーの『わらの女』が有名だ。あれが当事者の側から描いたものとすれば、これは捜査側から描いた悪女物と云えるだろう。

そして本物か偽者かという二者択一でしか有り得ないシンプルな謎の真相が実に意外で、また実に納得の出来る物であることに驚きを感じた。
こういう状況って確かにあるよなぁと思わせ、それを謎に結びつけるレンデルの上手さ。恐らく作者は友人や知人らと交わす会話の中に同種のエピソードを聞くに及んでこのプロットを生んだのではないだろうか。単に笑い話に終始しそうな話を膨らませて1冊のミステリを作ってしまうレンデル。さすが英国女流ミステリの女王だ。

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