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ミステリの祭典

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日暮らし
「ぼんくら」シリーズ 2

作家 宮部みゆき
出版日2004年12月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 ALFA
(2022/04/06 08:36登録)
短編四作と長編「日暮らし」+ エピローグの構成。
「ぼんくら」の続編で、登場人物も話もつながっているので順に読むほうがいい。

短編はミステリー風味の人情噺として楽しめる。
表題作「日暮らし」は「ぼんくら」のメインテーマである湊屋の因縁話の続編。重要人物が殺されて湊屋の深い闇が明らかになるかと思いきや、意外な犯人というよりは唐突な犯人で肩透かし。
捕物シーンもドラマチックにはならずお祭り騒ぎのようで興をそぐ。

ミステリーではなく起伏のある人情噺として読む分には楽しい。筆は滑らかだし人物のキャラは立っている。
弓之助は出来すぎだが、あざといほどのお利口ぶりがかえって井筒平四郎の大人の知恵の深さを引き立てている。
今回印象に残るキャラは、無口な同心佐伯錠之介と機微をわきまえながらも情に厚いお徳
反対にがっかりキャラは湊屋総右衛門。闇を抱えたラスボスかと思いきや、勿体つけても所詮は身から出たサビに振り回される色好みオヤジだった。

No.1 6点 白い風
(2012/01/12 20:32登録)
前作「ぼんくら」に続いて主だったメンバーが出演だったので、すっーと入っていけましたね。
上巻の「おまんま」「嫌い虫」「子盗り鬼」などの短編が最後の「日暮らし」に上手く利用されていてこの辺は流石だな~って思わせてくれますね。
弓之助くんの活躍は一種の安楽椅子探偵の雰囲気もあって私は好きですね。

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