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ミステリの祭典

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謎解き名作ミステリ講座
佳多山大地

作家 事典・ガイド
出版日2011年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2011/12/21 18:28登録)
月刊誌に連載時のタイトルは「80年代生まれとミステリを読む」で、読書の中心が新本格以降の国産ミステリというイマドキの大学生を相手にして、名作ミステリをその書かれた時代背景を踏まえて紐解くという講義録のダイジェスト。

毎回、前振りや余談の部分が多いのだけど、名作ミステリの残された謎や瑕疵と思える矛盾点を、著者なりに謎解くという趣向があり、これが面白かった。
たとえば「キドリントンから消えた娘」では、瀬戸川猛資氏の『夜明けの睡魔』のなかで、”見逃せない大きな瑕疵”とされたバレリーの手紙の矛盾とか、「点と線」の東京駅の4分間に関する矛盾を解消させる試みなど、佳多山氏なりのマニアックで強引なロジックながらも興味深く読めた。
本書の性質上、古今東西の名作のネタバラシが前提になっているので取り扱い注意ではありますが。

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