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ミステリの祭典

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幻の指定席

作家 山村美紗
出版日1978年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 kanamori
(2012/01/17 18:34登録)
トリックメーカーといわれていた初期(’70年代半ば)の作品集。この短編集は傑作ぞろいという思いがあったのだけど、再読してみるとそれほどでもなかった。

表題作は倒叙形式で、新幹線の予約システムの特殊処理という意外な陥穽によってアリバイトリックが崩れていく話。こういった専門的知識をネタにした作品が他にも2編あるが、いずれも時代を経て陳腐化してしまったように思える。
一方では、グリーン車2両の乗客全員を人質にした身代金強奪サスペンス「新幹線ジャック」が今でも面白く読めた。西村京太郎ならこのアイデアで長編一本書くのではと思うほど中身が濃いコンゲーム風サスペンスで、犯人グループ視点の描写が全くないのがミソだろう。
驚いたのは「危険な忘れ物」。メインのネタが、最近読んだ乾くるみ氏の某短編と見事に被っている。

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