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ミステリの祭典

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存在しなかった男
警視庁捜査一課田楽心太の事件簿

作家 大村友貴美
出版日2011年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2012/12/11 21:44登録)
初期作品は横溝正史と比較されることも多かった作者ですが、本作は全く違っていて、某古典的フランス映画をどうしても連想してしまいます。その映画を知らなくても、またミステリを読み慣れていなくても、この真相には早い段階で気づいてしまうでしょう。飛行機の中の人間消失という冒頭の謎に対しては、論理的に考えればただ一つの答しかありません。
まあ、そのような謎解き的観点からのみ論じられるべき小説を書く作家でないのは、『死墓島の殺人』からもわかっていたことですが、今回ヒロインが津軽方面を訪ねるシーンには、水上勉に近い雰囲気さえ感じてしまいました。2011年発表作品で、東日本大震災にも言及されていたりして、現代の状況が描かれてはいるのですが。
真相のほとんどが明らかにされた後も70ページぐらい残っていて、逮捕後の犯人取調べ部分が一番の読みどころと言えるでしょう。

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