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ミステリの祭典

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変わらざるもの
ベルンハルト・グンター

作家 フィリップ・カー
出版日2011年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 kanamori
(2012/01/21 21:56登録)
あの”ベルリン三部作”の私立探偵ベルンハルト・グンターが15年ぶりに、スケールアップしてミュンヘンで復活!

単なる失踪人探しが、元ナチスの戦争犯罪人と依頼女性の夫の過去などが絡み、物語の様相が変な方向にずれていく、この展開には意表をつかれた。隠された企みもミステリ趣向充分。
グンターは今回も悲惨な目に合いながら減らず口も健在で、まさに”変わらざるもの”です。
私立探偵小説、警察小説、スパイ冒険小説と、これまでの3作は、同じ主人公を使いながら、それぞれ異なるタイプの小説になってましたが、本書も例にもれず、あるジャンルの要素(=これはネタバレになる)を取り入ており成功していると思う。
解説によると、シリーズは既に8作目まで書かれているらしい。すみやかに順次邦訳を期待したいが、本書のエンディングだと次作の物語設定が想像つかない。

(追記)2012.1.24
今年のMWA(エドガー)賞の候補作5冊の中に、フィリップ・カーのグンター・シリーズ第7作がノミネートされた。受賞に至ればシリーズの邦訳も進むと思うが、今年は日本人作家の強力なライヴァルがいるからなぁ・・・・(笑)。

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