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ミステリの祭典

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アリバイの彼方に

作家 夏樹静子
出版日1979年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 kanamori
(2011/09/22 18:06登録)
初期の作品8編収録された短編集。表題作をはじめ「滑走路灯」「止まれメロス」「特急”夕月”」など、いずれもタイトルに憶えはあるのだけど内容はすっかり忘れていました。

「アリバイの彼方に」は、解けそうで解けないアリバイ崩しもの。高校時代の同級生である犯人と刑事を対峙させ、過去のエピソードと現在の事件を交錯させた構成がうまい。
「滑走路灯」もアリバイが主題だが、アンチ・アリバイ崩しともいうべき意外な展開をみせる佳作。伏線が巧妙に敷かれており感心した。これが編中のベスト。
「特急”夕月”」は、時刻表トリックを駆使して犯行直前まできた犯人に予想外のトラブルが起こり・・・という半倒叙もの。状況が変わる毎に犯人の態度が二転三転するのが可笑しい。他の作家ならドタバタ・ミステリになるところを夏樹流に仕上げている。

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