| 反動分子 シムノン ロマン・デュール選集 |
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| 作家 | ジョルジュ・シムノン |
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| 出版日 | 2025年08月 |
| 平均点 | 7.00点 |
| 書評数 | 2人 |
| No.2 | 7点 | クリスティ再読 | |
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(2026/08/07 11:13登録) 確かに異色篇だねえ。 瀬名氏は雰囲気をコンラッドの「密偵」に比較したけど、評者はグリーンの「密使」みたいに感じたな。おっと「密使」の方が翌年か。でもまさにグリーン調エンタメといった雰囲気の小説だ。 無政府主義者のイデオローグとして活動したが現在ベルギーに亡命中の主人公シャヴ。現在は劇場監督をして細々と事実上の亡命生活を送っていた。そこに現れた同志の「男爵」。新たにパリの無政府主義者組織に加盟した外国人過激派が、爆弾テロの企画をしていて、弟のように気にかけていた若者ロベールがそれに巻き込まれているという話が。シャヴはロベールと話して爆弾テロを止めようとフランスにひそかに帰国して奔走する... というまさにスリラー仕立ての話。 シャヴは元気がなくなり、自信も揺らいできた。ここでなにをしているか、ブリュッセルに妻と息子がいるのに、どうして自分に関係のないことに介入しに来たのか、と考えてしまう。 と無政府主義者として警察に捕まるリスクを冒して、仲間の計画を止めようとするわけだ。さらに「男爵」のドジによって計画が警察に漏れ出し、無政府主義者たちはジャヴを「裏切者」として警戒している...果たしてロベールはジャヴのいうことに耳を傾けるのか? いやさあ、似たようなことが最近あって、評者も今絶賛傷心中だったりするよ。若い人は過激な主張に感染して年寄りを不要扱いしがちなんだよなぁ。エコーチェンバーというか、閉鎖的な言論空間だと、過激な意見が幅を利かすのはどうしようもないんだ。世代差だと思ってあきらめるしかないのかな。 すまぬ、身につまされてしまったよ。 (けど「反動分子」というタイトル。無政府主義者というとウルトラ自由主義・個人主義のわけで、ちょっと適切じゃないようにも感じるよ。無政府主義者グループからしたらジャヴの方が「反動分子」なんだが、本書の警察側は無政府主義者たちを「反動分子」と呼んでいたりする。ちょいと違和感) |
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| No.1 | 7点 | 空 | |
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(2011/09/01 20:55登録) (原書"Le suspect" を読んでのコメント) タイトルはもちろん「容疑者」の意味。 何の容疑者かというと、なんと爆弾テロなのです。フランスにいられなくなって、ブリュッセルに住んでいる理論的アナーキストのシャヴが主人公です。ある日旧知の「男爵」が職場を訪ねてきて、パリ近くの工場での爆弾テロが計画されていることを彼に知らせます。実行は、シャヴがかわいがっていたロベールらしいということ。 テロ行為には反対のシャヴはその計画を中止させるため、仕事を放りだして、即刻自転車で国境を越え、パリに向かいます。しかし、テロ計画をかぎつけ、「男爵」を尾行していた警察は、シャヴをテロ実行の容疑者として手配するのです。一方でパリに住むシャヴの昔の仲間たちは、シャヴが警察へ密告した裏切者だと考えていました… というわけで、普通に考えればなんともシムノンとは縁遠いアクション・スリラーっぽいプロットです。それにもかかわらず、読んでみるとこれがシムノン作品以外の何物でもないという心理描写で綴られたエンタテインメントになっています。 |
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