home

ミステリの祭典

login
ボニーと砂に消えた男
ナポレオン・ボナパルト警部

作家 アーサー・アップフィールド
出版日1983年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2016/07/26 08:35登録)
(ネタバレなしです) オーストラリアを代表する本格派推理小説家アーサー・アップフィールド(1888-1964)は白人とアボリジニの混血(ハーフカースト)で両民族の長所が結合しているユニークな探偵ナポレオン・ボナパルト警部(ボニー警部)シリーズを中心に30冊を越える作品を残したことで知られます。1931年発表のシリーズ第2作の本書は作中のトリックが現実の殺人事件でも使われて、作者も証人として裁判に出廷したことで有名です(詳細はハヤカワ文庫版巻末解説に書かれています)。もっともこのトリック、実行するにはある種の条件をクリアしないとまず無理なので個人的にはそれほど感銘しませんでした。また犯人当てとしては謎解き伏線がかなり粗いようにも思えます。しかし本書の特色は何といってもスケール感の大きな舞台や活き活きとした風俗習慣の描写で、これはちょっと他の作家には真似できない個性でしょう。

No.1 6点 mini
(2013/06/04 09:59登録)
本日、WC最終予選のオーストラリア戦が行なわれる、日本代表は王手をかけており引き分けでも世界最速に出場が決定する
前回敗れた親善練習試合には不在の本田と岡崎が合流し事実上のベストメンバーだけに期待したい
ここ数試合はセットプレーで失点しているのでDF陣の頑張りが鍵だな、オーストラリアは平均身長が高いからなぁ

さてオーストラリアのミステリー作家と言えばやはり筆頭に挙げられるのはアーサー・アップフィールドだ、その最初期の出世作が「ボニーと砂に消えた男」である
「砂に消えた男」はそのオーストラリアらしい雄大なトリックで当時話題になったらしいが、これはもうトリックと呼ぶような性質のものではないかも知れない
トリックという言葉に変な期待をせずに、作中の雄大な自然を楽しむ類のものだろう

ところで論創社ではロジャー・スカーレットの抄訳しかなかった某作の完訳の計画が有るという
そんなマイナー作家なんかよりもさ、アップフィールドの数多い未訳作に目を付ける気は無いかねえ
どうも日本のクラシック本格マニアってのはさ、やたらとお屋敷もの館ものばかり好む傾向が有るが、もっとアウトドアにも目を向けて欲しいなぁ
現状アップフィールドの翻訳状況は残念の極み、「The Mystery of Swordfish Reef」や「The Will of the Tribe」といったあたりを出してくれる出版社ありませんか

2レコード表示中です 書評