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ミステリの祭典

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「黒い箱」の館
水無瀬翔シリーズ

作家 本岡類
出版日1999年04月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2012/09/23 12:29登録)
なんとも気楽に読める小説でした。田舎の旧家で起こる連続殺人で、3代にわたる呪いなんて話も出てきますが、作者自身意識していることを1ページ目から認めている横溝正史とは、全然雰囲気が違います。だいたいタイトルの「館」が新築の現代的な建物なのですから、ギャップ感は意図的です。
最初の「自殺」事件のトリックは、その道具を使うというアイディアは悪くないと思いますが、実現のための詰めがあまりに甘い。あれを切り取るというのが何を意味するか、考えてみてください。道具の置き場所も不明なままですし、計算根拠にも誤りがあります。
また第2の事件については、方法はわからなくても犯人は当然この人物だろうなとすぐに気づいてしまいます。犯人の狙いが見え透いているのです。
ところで探偵役の水無瀬が冒頭で読んでいた横溝正史の文庫本が何だったのか、ちょっと気になりますね。

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